文書作成日:2017/04/20


 今回は相談事例を通じて、遺言の修正や撤回についてご紹介します。




 私は以前、公正証書で遺言を作りました。財産の内容も変わったので、もう一度作り直したいと思っています。今回も必ず公正証書で作らなければならないのでしょうか。




 既にある遺言を作り直すときに、前回と同じ要式で作る必要はありません。以前作った公正証書による遺言を自筆証書遺言によって作り直すことも可能です。




 遺言を作り直すことにより撤回という効力が生じます。遺言を撤回する際に、撤回する遺言の全文又は一部を特定した上で、これを「撤回する」と明確に記載することが望ましいといえます。
 明確に「撤回する」という言葉を用いなくても、以前作成された遺言と内容の抵触する遺言がされていれば、抵触する部分について撤回したものとみなされますが、撤回の意思を明確にするためにも、いつ作った遺言を撤回するかを明確にした上で、新たな遺言を作ると良いでしょう。

 既に作成した遺言を全て撤回する方法だけでなく、一部を変更することも可能です。

【1】前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなします(民法1023条1項)。
【2】遺言と抵触する生前処分がされた場合には、抵触する部分について遺言を撤回したものとみなします(民法1023条2項)。

 複数の遺言の内容が抵触する場合には、後の日付の遺言が優先されます。もちろん、後の日付の遺言が有効なものでなければ、撤回の効力は生じません。また、日付の異なる複数の遺言があった場合に、それぞれ遺言の内容が抵触しなければ、すべての遺言が有効となります。

 遺言が残されていた場合、書いてある内容によって遺されたご家族が内容の解釈・判断に迷うケースがあります。大切なご家族のためにも、またきちんと希望を叶えるためにも、遺言作成時には専門家に相談することをお勧めします。



※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。