文書作成日:2017/02/28


 今回は、インフルエンザの罹患が疑われる職員への対応についての相談です。




 今朝、出勤をしてきた職員が体調不良のようですが、その症状からはインフルエンザに罹患している可能性が考えられます。職場内の感染拡大を避けたいため、自宅療養を命じたいのですが、問題ないでしょうか?




 高熱がある等の症状であれば就業を禁じ、自宅療養により治療に専念してもらうことになりますが、自宅療養を命じる場合には、休業手当の支払いが必要となる場合があります。




 職員がインフルエンザに罹患をすれば、感染拡大によって運営体制が維持できなくなるのみならず、患者にも迷惑を掛けてしまうことになります。よって毎年この時期には、うがいや手洗いの徹底を励行している医療機関が多く見られます。ところが、徹底して管理をしていても、一定確率で感染をしてしまうことは避けられません。そのような場合、業務に対する責任感の強い職員であれば、勤務に穴を開けることができないと、無理に出勤してしまうことも少なくないようです。

 そうした中、感染症に罹患の疑いがある職員が出勤をした場合には、まずは体温計で熱を測る等によって症状を把握し、罹患の疑いが強いのであれば、就業を禁じるべきであります。これは、労働契約法第5条において「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」と規定されており、本人の病状悪化のみならず、他の職員等への感染拡大防止を目的としたものです。その際には、本人より早退届等を提出してもらうことが基本的な対応となります。

 なお、事業主の判断で感染拡大の予防的に自宅待機を命じるのであれば、労働基準法第26条「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない」の規定に該当するため、休業手当を支払わなければなりません。

 医療機関に勤務する職員であれば、万が一、感染が拡大をしたらどういった影響が生じるのかという点は当然に理解しておくべきですが、判断に迷いが生じないように出勤の取扱いは予めルールとして決めておきたいところです。例えば、感染をした場合には、医師が就業可と認める時期まで出勤停止とし、疑わしい場合には、必ず医師の診断や検査を受ける等といったことは、最低限のルールとして職員に浸透させておく必要があります。こうしたことは、職場のルール集である就業規則等においても明確に定めておくとよいでしょう。

 

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