
文書作成日:2020/07/15

新型コロナウイルス感染症等の影響に関連して国等から支給される助成金等がいくつかあります。6月には第2次補正予算が成立し、新たな助成金等の支給も予定され、一部についてはすでに申請が開始しています。
ここで注意をしたいのは、助成金等の支給を受けたときの課税関係です。 法人であれば、受け取る助成金等については、法人税の計算上、すべて課税の対象となります。他方、個人が受け取る助成金等については、所得税の計算上、課税となるかどうかは当該助成金等によります。
そこで今回は、個人が受け取る国等から支給される主な助成金等の課税関係について、2020年6月25日現在の情報をもとにご紹介します。
個人が受け取る国等から支給される主な助成金等の課税関係について、所得税が課税されるもの(課税)と、されないもの(非課税)に分けて以下にまとめました。
■課税
助成金等の名称 | 支援概要 |
【事業所得等に区分されるもの】 | |
持続化給付金(事業所得者向け) | フリーランス含む個人事業者には、最大100万円を給付 |
家賃支援給付金 | 一定の売上減少要件を満たす個人事業者等には、最大300万円(※)を給付 ※ 最大 50万円/月 (給付率2/3,1/3)×6カ月分 |
農林漁業者への経営継続補助金 | 感染拡大防止対策を行いつつ、経営継続の取組を行う農林漁業者への総合支援 |
文化芸術・スポーツ活動の継続支援 | 新型コロナウイルス感染拡大の影響により活動自粛を余儀なくされたスポーツ関係団体や個人事業主に必要な経費を支援 |
東京都の感染拡大防止協力金 | 都の要請や協力依頼に応じて施設の使用停止等に協力した中小事業者に対する協力金の支給 |
雇用調整助成金 | 従業員を休業させ休業手当金を支払った場合等に、日額上限15,000円、最大10割を助成 |
小学校休業等対応助成金 | 学校休業等の子どもがいる労働者に対して有給休暇を取得させた事業主へ助成 |
小学校休業等対応支援金 | 学校休業等の子どもがいるフリーランス等に対する支援 |
【一時所得に区分されるもの】 | |
持続化給付金(給与所得者向け) | フリーランス含む個人事業者には、最大100万円を給付 |
【雑所得に区分されるもの】 | |
持続化給付金(雑所得者向け) | フリーランス含む個人事業者には、最大100万円を給付 |
■非課税
助成金等の名称 | 支援概要 | 根拠法令 |
【支給の根拠となる法律が非課税の根拠となるもの】 | ||
新型コロナウイルス感染症対応休業支援金 | 中小企業で働く従業員に対して、月額最大33万円を支給 | 雇用保険臨時特例法7条 |
新型コロナウイルス感染症対応休業給付金 | 新型コロナウイルス感染症対応休業支援金に準ずる特別給付 | 雇用保険臨時特例法7条 |
【新型コロナ税特法が非課税の根拠となるもの】 | ||
特別定額給付金 | 一律1人当たり10万円を給付 | 新型コロナ税特法4条1号 |
子育て世帯への臨時特別給付金 | 児童手当受給世帯に対して、子ども1人当たり1万円を給付 | 新型コロナ税特法4条2号 |
【所得税法が非課税の根拠となるもの】 | ||
〇学資として支給される金品 | 所得税法9条1項15号 | |
学生支援緊急給付金 | 大学・短大・高専・専門学校生等1人当たり ・住民税非課税世帯…20万円 ・上記以外…10万円 を給付 | |
〇心身又は資産に加えられた損害について支給を受ける相当の見舞金 | 所得税法9条1項17号 | |
低所得のひとり親世帯への臨時特別給付金 | 児童扶養手当受給世帯等に対して ・5万円(第2子以降は+3万円) ・収入減の場合さらに+5万円 を給付 | |
新型コロナウイルス感染症対応従事者への慰労金 | 新型コロナウイルス感染症に対する医療提供を行った一定の医療機関等の医療従事者や職員に対して、最大20万円の給付 | |
企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の特例措置における割引券 | 一定の労働者がベビーシッター派遣サービスを利用した場合に、その利用料金の一部又は全部を助成 | |
東京都のベビーシッター利用支援事業における助成 | 東京都の認定を受けた認可外のベビーシッター事業者を利用する場合の利用料の一部を助成 |
上記以外にも、新型コロナウイルス感染に関連した地方独自の支援があります。課税関係はその都度確認していくことが肝要です。
参考:
国税庁HP
「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」[PDF]
内閣官房HP
「新型コロナウイルス感染症に伴う各種支援のご案内」
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。
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